先月、内閣府が景気の指標となる「景気ウォッチャー調査」(街角調査)を公表しました。5月の現状判断DIは55(前月比+0.4)、先行き判断DIは54.4(前月比-1.3)となりました。
調査結果によると、景気ウォッチャーの見方は「景気は緩やかに回復。先行きは、価格上昇の影響等を懸念しつつも、持ち直しが続くとみている」とまとめています。
帝国データバンク発表の5月調査「TDB景気動向調査」では、5月の景気DIは45.5(前月比+0.8)となり、3カ月連続で改善しました。
業界別で不動産DIは、50.7(前月比+1.1)と5カ月連続で改善、2018年9月以来4年8カ月ぶりの50台となりました。
企業側からは「賃貸物件の供給が需要に足りず家賃が上昇」「不動産価格が堅調、融資環境も明るいため不動産流通市場は活発」と、賃貸・売買に関わらず空室に関する問い合わせも多いとの声が上がっています。
賃料傾向については、不動産情報サービスのアットホーム募集家賃動向(4月)によると、「マンションの平均募集家賃は、東京23区・東京都下・埼玉県・千葉県・名古屋市・大阪市・福岡市の7エリアが全面積帯で前年同月を上回る」としています。
LIFULLのマーケットレポート(2023年1~3月期)は、「ファミリー向き賃貸物件は直近1年首都圏郊外で掲載賃料の上昇傾向が続く」としています。
5月以降、新型コロナが5類に引き下げられ、人の動きも活発になっています。人口の流動と、需要が供給に追い付いていないことが物件価格の上昇につながり、景況感も回復基調が見られます。
※DI:景気の動向を示す指標の一つで、数値50(=横ばい)を基準に数値の上下で景気の良し悪しを表します。「現状判断DI」は現況を、「先行き判断DI」は2~3カ月先を指します。